少し今ぼんやり考えていることを。
AIが完全情報ゲームの囲碁で人間に勝ったことは世の反響からもわかるようにかなりショッキングだった。僕も、誰が言ったかはわからないが、あと10年は人間に勝てないと言われていたから、そうだと思っていた。
単純な作業はどんどんロボットに置き換えられている。人々は不況が雇用を奪っていると思っているが、もうじきに気づくだろう。実は不況以上の勢いで人々の職を奪っているは機械であるということを、だ。
ではこれから人間はどうなるのか?仕事がなくなるのか。おそらく基礎的な部分の仕事はどんどん機械に取って代わられるだろう。別に悪いことじゃない。そもそもみんな働きたくないのだし、ロボットがしてくれるならいいじゃないか。
そんなことをぼんやり考えていたら、面白い動画を見つけた。
これは、広告マンのスピーチで、人々の認識を変えることで、価値を再定義するという内容だ。
ものの見方を変えることで、貨幣以上の付加価値をつけることができるということを、様々な例を用いて説明している。
面白かったのは、昔、見向きもされなかったジャガイモを、フリードリヒ皇帝がどうやって人々に浸透させたか。という話であるが、まさにジャガイモに価値を与えた方法がすばらしい。
そこで思ったのは、もしかして、認識的な価値は人間にしか与えられないんじゃないか?ということだった。
芸能人格付けクイズで、安物のワインと高級ワインを試飲させて、どちらが高級ワインか当てるという問題がやっているが、みんなけっこう当たらない。プロが作った料理の味が本当に理解できる人がどれだけいるだろうか?僕は正直わからないと思う。それでも、人々は最高のムードのレストランで、最高級のワインを飲むことに意義を見いだすのだ。サイゼリヤでミラノ風ドリアとなぜか赤ワインなのにキンキンに冷えたハウスワイン、すごくおいしいし、幸せになれる。けど、この二つを比べたら全然違うとみんな思うだろう。おそらくその違いをはっきり説明できる人は少ない、金額以上の差が果たしてあるのか。
ロボットにはこの付加価値はつけれない。少なくともロボットがこのままの進化を果たすなら絶対にない。それがロボットの定義だからだ。
物語。ストーリーこそが付加価値の源泉だ。これからの時代、ストーリーを語れる、もしくは見いだせる人こそ、多くの付加価値を生む人物になるだろう。