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器用だけど自分に不器用なあなたに贈りたい漫画「ブルーピリオド」

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

今「青」って聞くと、僕の頭の中で一番最初に浮かぶのがこの漫画のタイトルです。 

 

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

 

今回はこのブルーピリオドについての感想です。 

 

ブルーピリオドあらすじ

ブルーピリオドは「アフタヌーン」に連載中の漫画です。

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!

amazonより

主人公の八虎はすごく器用な青年で、成績優秀でスポーツもできて爽やか、周りから何でもできるスマートな人間だと思われています。八虎自身も周りのイメージ通りに自分を作ろうと、無理しているわけではないけど勉強をしっかりやったり、相手が求めていそうな行動を取ることで相手の期待を裏切らないようにしたりしていました。

ただ、その生活に満足しつつも、彼はどこかで空虚な気持ちを抱えていました。そんな時に美術室で偶然、自分の心を突き動かされる絵に出会います。そこから彼は自分の感情に耳を傾け、自分のやりたいこと、つまり絵を描き、美大に合格することを目指すようになる。という話です。

相手の期待 > 自分の心

八虎は、器用がゆえに他人が自分をどう思っているかがわかってしまい、その期待通りのイメージに自分を寄せてしまっています。「相手の期待>自分の心」という構図に陥ってしまっているのです。

こう言う人を僕もたくさん見てきました。空気を読むのがうまい人って、その空気がありありと感じることができるから、逆に言えばその空気に包まれてしまうんですよね。だからその空気を壊さないように行動してしまいます。けどそれは自分の感情を二の次にしているからできる芸当であって、空気を読む行動ばかりしてしまうと、最終的には自分が本当は何がしたいのかわからなくなってしまいます。そうして世間的に評価が高い仕事や、とりあえず偏差値が高い大学を目指す、などの選択をします。

そして社会出ても同じような周りの基準で生きてしまうため、異様に彼氏彼女の学歴にこだわったり、年収、職業を選り好みしてしまうのです。

この漫画では、器用だからこそぶつかる周りと自分との関係の苦悩を見事に描き出し、自分の力で真正面からぶつかる苦しみを漫画と共に共有できます。

友人、家族は実はあなたの心に気づいているのかも

この漫画のリアルで優れた描写に、友人や家族も実はどこかで彼の空虚な気持ちにすでに気づいていて、頼って欲しい、自分のやりたいことに向かって欲しいと思っているところがあります。

主人公が悩んでいて、それを隠していることもちゃんと気づいている。けど、彼らも優しいから、彼自身が行動するまでは決して言わない。そのもどかしさをお互いが持っている。というのがとても生々しいです。

普通の漫画なら、そこは徹底的に対立するキャラがいた方が展開としては簡単ですけど、ブルーピリオドはそんなことはしないのです。

この八虎と言う人間が漫画で描かれるような人物になるには、周りの人間もこう言う性格の人たちだろうなと読者に連想させる、そんなリアリティーなのです。

彼の葛藤と成長を自分に照らし合わせる

この漫画を読んでいて、見事にしてやられました。物語の要所要所の盛り上がるところで僕はことごとく泣いていました。

いや、俺はこんな青春してないぜ!って自分でも突っ込んじゃいましたけど、とにかく泣ける。読んでいるときは心は静かだけど、ある時に生理現象みたいに涙が出てきて、そこから自分の心がすごく揺さぶられたことに気づいて驚くのです。

とにかく、没入感がすごい。自分が八虎と同じように悩んで、自分で選んで、苦悩して、一歩進んだ時には全力で喜ぶ。その歩みを主人公と一緒にしている気持ちになります。いやー、すごい漫画だ。

まとめ

今回は主人公の人間描写的な側面からこの文章を書きましたが、ブルーピリオドは他にも色々な見方ができる漫画です。

僕は、ブルーピリオドの「器用がゆえの葛藤」に一番心が惹かれたわけですが、みなさんが読んだらまた全然違うところに注目するかもしれません。気になった方はこの機会にぜひ読んでみてください。