katonobo’s blog

プログラミング中心の雑記ブログ

仮想通貨とゲーム理論【行動経済学】

仮想通貨(暗号通貨)を学んでいくと、経済学、法学、金融知識、暗号学、IT知識と幅広い分野にまたがっていることがわかります。

仮想通貨に投資をしようと考えた場合は、まず経済学分野の知識は必須になります。中でも行動経済学の分野は結構面白いですし、参考になると思います。

中でもゲーム理論は、プレイヤーが取る行動を推測し、その行動に合わせて自分の行動を最適化するにはどうすればいいかということを考えるものです。

相手プレイヤーもバカではないので、ベストの選択をしてくると仮定し、そのベストの選択に合わせてこちらも最適な行動を選ぶ選択肢を「ナッシュ均衡」と呼びます。

このナッシュ均衡と、ナッシュ均衡のいくつかのパターンを覚えておけば、こと仮想通貨に関しては思っているより早く実践に活かせるでしょう。

 

「Fomo3d」ポンジスキームとエスカレーションゲームという組み合わせ

例えば、最近流行った?「Fomo3d」と言う最悪なDaapsアプリがあります。

仕組みは、ETHを入金すると、keyと呼ばれるポイントのようなものがもらえて、後から入ってきた人の資金を配当という形でもらうというゲームです。加えて、24時間の時間制限があり、買い付けがあった場合には30秒の延長が繰り返され、もし時間が0になった時に最後に買い付けした人には、ジャックポットとして溜まったETHが独り占めという仕組みでした。

これはゲーム理論で見るととても面白い仕組みでした。

まず、後から入った人の資金が配当として回るのは、ポンジスキームと呼ばれるものです。

ポンジ・スキーム - Wikipedia

 

さらにここに、ジャックポットという最後に購入した人が総取りというルールを加えたことでゲーム理論的な要素が加わっています。

最後の参加者は莫大なリターンを得るため、最後の一人になるために資金を投下し続けます。そうなると、ゲームは理屈上は参加プレイヤーの資金が尽きるまでずっと続きます。

これはゲーム理論に出てくる「エスカレーション・オークション」と呼ばれるゲームの応用です。

エスカレーション・オークションとは

エスカレーション・オークションは、一般的なオークションとは違い、競り落とした人の一つ前に競り値をコールした人も、コールした分のお金が取られるというゲームです。

例えば、1000円で値段が決まった時、その前に900円でコールしていた人は商品を手に入れられず、さらに900円を失うということになります。

さて、実際、このゲームをやるとどうなるでしょうか?

先ほど述べた900円のプレイヤーはこのままでは900円の損失になるので、損失を減らすために、1001円をコールするはずです。この場合は1円の損失になるからです。しかし、そうした場合は、1000円でコールした人は損失を減らすためにさらに1002円をコールするでしょう。

つまり、自分の損失額を減らすために、お互いが損失額を吊り上げるという悲惨なゲームが続きます。

「Fomo3d」は、これを後続の儲かっていないプレイヤー全てを対象にしていると言えます。まだ元が取れていないプレイヤーはジャックポットを手に入れるために永遠にゲームに参加し続けるのです。

さて、先を読める人ならこのゲームでどのように行動するでしょうか?

一つは、ポンジスキームの必勝パターンで圧倒的に初期で参入する。

もう一つは、まるっきりゲームに参加しない、です。

このゲームを自分がやるだけならともかく、他の人に勧める人は、この仕組みがわかっていない合理的でない人か、わかっていて地獄のゲームに人をひきづりこむ悪魔かなので、どちらにせよ関わらない方が良いでしょう。

ちなみに、このゲームはあっけなく終了しました。これは、イーサリアムの送金が詰まったのではないかと個人的には疑っています。このゲームの開発者が、イーサリアムの性能まではゲーム設計に考慮をしていなかったのだと思います。

ちなみに、現段階で、すでに第二弾が始まっていますが、今回のゲームでは、前回に比べておそらく10分1を少し欠ける程度の規模になるのではないでしょうか。

これは、前回のゲームで原資が抜けたであろうラインが10分1ほどだからです。ここまではポンジスキームで勝てるだろうと考えて資金が集まる可能性があります。そのあとはエスカレーション・オークションとなります。

 

仮想通貨の多くはコーディネーション・ゲームになる可能性がある

さて、このようにゲーム理論は仮想通貨の世界ではかなり有効であることがわかっていただけたのではないでしょうか。

ところで、ホリエモンが、仮想通貨はある日突然に普及するのではないかと言っていた記事を見ましたが、私もその可能性はあるのかなと思います。

これは私が、仮想通貨は、ゲーム理論でいう「コーディネーション・ゲーム」に近いのではないかと思っているからです。

コーディネーション・ゲーム① - ビジネスのための一般教養

コーディネーション・ゲームとは、例えば、恋人とデートに行くときに、①映画館に行くか、②ドライブするか選択することがあったときに、映画館の満足度が10だとして、ドライブが9だとした場合、話の成り行きでドライブに行くことになってもそれはナッシュ均衡であるということです(実際、恋人とデートできるなら、どちらでも良いですよね)。

つまりコーディネーション・ゲームとは、みんなが取る行動に合わせることが一番の利益であるという場合の理論です。

リップルという仮想通貨がありますが、彼らが挑戦しているのは、典型的なコーディネーション・ゲームの世界です。

リップルは銀行間の国際送金を便利にしようとするサービスです。

世界の銀行は「SWIFT」と呼ばれる国際送金システムを使っています。受け渡しに時間がかかったりして不便があるようですが、どこの銀行もみんなこのシステムを使っているので、ちょっと優れたくらいの他のシステムを使うのは彼らにとって全く合理的な選択ではないのです。まさに「コーディネーション・ゲーム」の世界なのです。

そのため、リップルは一気にほぼ全ての銀行のシステムをひっくり返す必要があります。そうなれば逆にリップルを使うことがベストな選択に変わるためです。

リップルが一番わかりやすい例なので説明にあげましたが、仮想通貨には総じてこのような側面があるように思います。

 

まとめ

以上のように、仮想通貨は「価値」というインセンティブを用いている分、ダイレクトにゲーム理論的な動きがよく見れます。

ゲーム理論自体ものすごく奥が深く面白い世界です。

最後に今日紹介した内容で、数式も全く出てこず、しかも内容のわりに凄くお手頃価格の入門書を一つ紹介するので、興味がある方はぜひ読んでみてください。