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軍艦島から個人開発に思いを馳せる

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軍艦島とは?

先日軍艦島に観光に行ってきました。

軍艦島とは、長崎にある島で、昔石炭を採掘するために人が住めるように埋め立てられた人口の島です。本来は端島という名前でしたが、島の形が軍艦武蔵の外見に似ていたために「軍艦島」と呼ばれるようになりました。エネルギー革命により石炭から石油に移行した時に廃坑となり住民全員の退去が命じられ、現在は誰も住んでいない無人の島です。

昨今の廃墟ブームや離島ブームにより有名になり、今では長崎の観光でもトップクラスに人気な観光地となっています。

外見が軍艦のように見えるので軍艦島と呼ばれるようになった

当時は東京の9倍の人口密度だった

当時、この軍艦島には石炭を掘るために多くの人が移住しました。家族も一緒に移住し、小さなこの島に最盛期には5300人弱の人が住んでいたそうです。あまりにも敷地が狭いので、人が住む場所として高層ビルを建てたそうです。日本初の鉄筋コンクリートのマンションはこの軍艦島の30号というマンションで、その当時の日本の技術の全てを尽くして建設されました。

まだ残っている日本初の鉄筋コンクリートのマンション

では、なんでこんな長崎の端っこの小さな島に、こんなに多くの人が集まり、日本の最先端技術が使われたのでしょうか?

もちろん、それは当時黒いダイヤと呼ばれた「石炭」のためです。石炭は鉄鋼を製造するために燃料として当時欠かせないものとなっており、国としても軍艦島は欠かせない存在となっていました。そのため、石炭を掘る鉱夫の給料は破格で、日雇い労働者でも当時の日本のサラリーマンの数倍の賃金だったそうです。

戦前戦後の三種の神器と呼ばれた「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」の世帯普及率が日本の平均で10%ほどだった当時に、この軍艦島では普及率がほぼ100%だったそうです。また、それだけ狭い土地だったのにも関わらず、当時の軍艦島に住んでいた人は「とても住み心地がよかった」と言っていたそうです。

つまり軍艦島は日本のどこよりも景気がよかったのです。

モノと人が集まるところにお金が集まる

この軍艦島を見学していて多くの人が感じたように、私も、「とんでもなく歪な島だな」という感想を持ちました。どう考えても5000人もの人が住むような島ではないのです。

上陸して見学できるコースはかなり限られていて狭いのですが、それを考えても島全体が狭すぎます。

長崎からもそれなりに遠いですし、地理的に見るとここに多くの人がすみ、また日本でもっとも裕福な地域だったとは信じられません。

 

そこから、あまりにも生々しく身を以て感じることができた事象があります。

それが、

金を産むモノがあるところに人が集まり、そしてさらに金が集まる

ということです。

この言葉ってよく言いますね。けど、軍艦島ほどこの言葉の意味を実感できる土地はないのではないでしょうか。

石炭は、当時とんでもない金のなる木でした。そのためにそこに多くの仕事が生まれ、多くの人が集まりました。そのおかげで高級品だった白物家電の普及率100%が実現されました。映画館やパチンコもあったそうです。

しかし、この繁栄はある時に一瞬で終わります。

それが最初に述べた石炭から石油へのエネルギー革命です。この軍艦島は石炭から石油にエネルギーのメインが移った途端、誰も住まない無人の島になったのです。廃墟となったため一見何か恐ろしい印象があるこの島ですが、終わりは石炭が儲からなくなったから退去させられて皆んなどっかに行ってしまったです。そこが私は個人的に終わりがとても美しいなと思いました。

今や美しいほどの廃墟

インターネットのビジネスモデル

この軍艦島の歴史を知った時に、現在の主流のインターネットビジネスモデルも似てるなと思いました。グーグル、フェイスブックのビジネスモデルはとにかく多くの人に使ってもらって、そこから広告収入を得るという仕組みです。

つまり、個人間のやりとりであるソーシャルネットワークと個人情報が軍艦島で言う「石炭」で、そこに多くの人と金を集めようと言う仕組みです。

まずは誰もが欲しがる石炭(人とのつながり、情報)を与え、人を集めたところでお金を稼ぐ。これが現在の主流のインターネットのビジネスモデルです。

そう考えた時に私はひやっとしました。

これを個人開発に当てはめるなら絶望的だと。そしてこの形では勝負してはいけないなと思いました。

個人情報、SNSというインターネット世界の石炭はすでにGAFAのような大企業に抑えられていて、個人開発者がこれから新たな石炭を生み出すプラットフォームを作り出せるのかと思うと、大変難しいだろうなと思いました。

個人開発をしていた当初は、まずは開発、完成したら多くの人に使ってもらって、そこからなんとかお金を稼ぐ方法を生み出そうと思っていましたが、これはかなり厳しい道のように思えます。個人レベルで多くの人がその魔力に吸い込まれるような石炭を生み出すことができるのか?と言うことです。

これからは、多くの個人開発者が言及しているように、最初から収益を狙ったビジネスモデルを考えて作っていかないといけないのでしょう。

結局、プラットフォームというのはかなり強力な力を使って不自然なレベルまで人を集めているから成り立っているのです。そしてこれは石炭から石油に移行したときにはあっという間に瓦解する世界なのです。個人開発者がこの世界(プラットフォーム)を創造しようと言うは難易度が高すぎると感じました。(ただし夢がありますから挑戦は続けます)

そう考えたとき、個人開発者が勝負するべきところは、たくさんの人を自分の力で1から集めてそこからお金を稼ぐのではなく、すでに人がいるところを見つけて商売するか、もしくは人が集まらなくても稼げるような仕組みを作って勝負するのが正当だと考え直しました。

そういった気づきからも、軍艦島に観光して良かったなと思いました。

軍艦島は石炭の島というプラットフォームとしての価値を一度失った後でもなお、こうして観光資源として活用されていますが、インターネットではそれは不可能でしょう。誰もが今は軍艦島を観に来ていて、当時の石炭の宝島「端島」には興味がないのと同じように。