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デイヴィッド・J・リンデンの「快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか 」【書評】

快感回路---なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか (河出文庫)

「快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか 」が面白かったので紹介します。

 快感回路とは?

快感回路という何やら聞きなれないワードに惹かれて本書を買いました。そんな回路あるのか?ということですが、そもそも快感回路とはなんなんでしょうか?

本書によると、快感回路は、生物が何か行動を起こした時の報酬として反応する回路だそうです。快感回路は非常に中毒性が高く、ギャンブルなどの依存症の引き金になっているそうです。

生物の脳には快感(報酬)回路が存在する。ある実験だと、ボタンを押すと脳に電気が流れ人工的にその快感回路を刺激できるようにすると、その被験者は食事も取らずにずっとその刺激を求めるようになることがわかった。この快感回路が依存症には大きく関わっている。 

この本では、人間の快感回路を直接刺激する実験の記録があるんですが、自分で快感回路を刺激できるようになると、まさに食事もそっちのけで快感回路を刺激し続けてしますそうです。なんともひどい実験です。

私たち人間は、本能から離れた全く<任意の>目標の達成に向けて快感回路を変化させ、その快感によって自らを動機づけることができるのだ。その目標が、進化上、適応的な価値を持つか持たないかは問題ではない

さらに恐ろしいことに、人間の場合、快感回路が刺激されるのは、別に本能的な物以外でも動機付けできてしまうそうで、例えばマラソンしている時に快感回路が刺激されてしまうようになってしまった人は、あまりにハマりすぎて足を骨折しまったりするそうです。恐ろしい…。

ギャンブルには、惜しい負け(ニアミス)体験がギャンブルを続けさせるテクニックとして存在しており、スロットマシンなら3つの内、2つの絵柄が揃ったりすると惜しい負けとしてユーザーは認識する。そして、このニアミス体験の最適頻度は、約30%

この本で特に驚くべきことは、様々な企業がこの快感回路を研究し、利用していることです。私たちは知らない間に依存症にされている可能性があるのです。

著者のデイヴィッド・J・リンデンは脳科学者

著者は、神経科学者で、脳のメカニズムを研究している科学者です。そのため、この本の中身は、研究結果などに基づいて説明されています。

先ほど述べたように、生物には、快感回路と呼ばれる回路がありこれが人々の行動に大きな影響を与えることを示しており、人間は、他の動物より複雑な快感回路になっているため、薬物や運動などに加えて一見快感とは程遠い事象でも快感回路が機能することがあるそうです。

特にこの快感回路を利用しているであろう商売は、ギャンブルや、アルコールなどを販売する人たちでしょう。少し周りを見渡せば、このメカニズムをかなり巧みに利用していることがわかります。

本書を読めば、タバコや、ギャンブル依存症など、我々を不幸にする可能性のある依存症とこの快感回路はかなり関係していることがわかります。

読み物としてもとても面白いですし、何かにハマるというメカニズムを客観的に捉えることができるので、ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思いました。

 

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